050303 高速増殖炉開発問題に関する作業部会(2/25)の議事概要
度々お伝えしておりますように、先に公表した「我が国の高速増殖炉開発に関する緊急提言」
(05/01/19)をフォローアップする追加的提言案を取り纏めるべく目下作業部会で鋭意議論を
重ねておりますところ、前回の作業部会(2/25)の議事概要を柴山哲男氏が纏めて下さいました
ので、ご参考までに全会員各位に配信します。
なお、本件作業部会での議論の基になっている資料(柴山氏作成の「追加検討事項」メモ 2/17)
はすでに全会員に配信済みですが、念のために添付ファイルで再送信します。
次回作業部会(3/9)でさらに議論を継続しますが、できればその前に提言素案(第1次)を
まとめ、各位にお届けする予定です。
--KK
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日 時: 2005年2月25日(金) 17:00〜18:00
場 所:
原子力発電技術機構 6階会議室
出席者(五十音順、敬称略):
池亀 亮、小川博巳、金子熊夫、神山弘章、斎藤 修、柴山哲男、
高島洋一、辻萬亀雄、林 勉、益田恭尚、松永一郎 ほか
議事概要:
1 時間的な制約もあり、今回は「今後高速増殖炉に関する議論をどのように進める
べきか」を中心に議論を行った。
2 発言のあった主要な意見を項目毎に要約すると次の通りである。
(1)
もんじゅ
・ もんじゅで想定される故障、事故について予め公表してはどうか。(実機で
あり却って混乱するとの意見もあり)
・ トラブルの度に長期間止まることのないようにする必要がある。メディア、
地方自治体の対応が問題。もんじゅの事故の際には監督官庁などが「あり得ない事
故」と発言したことが問題を大きくした面もある。
・ もんじゅの今後の活用方針について、「エネルギー問題に発言する会」にて
JNCの意見も聞き、確立しておく必要がある。
(2)
実用化戦略調査研究、実証炉
・ 実用化戦略調査研究をJNCに任せておいて良いのか。電力、メーカの公式
の評価が必要ではないか。現状はAll
Japan
体制と言えるか。
・ 実証炉をどのような体制で建設するか、資金負担をどうするかの議論は重要
である。国の負担を求める場合には根拠を明確にする必要がある。
・ 研究開発は国が実施する必要がある。
・ 高速増殖炉は技術的には可能、経済性を達成することが課題、困難はあるが
達成見込みがあるというスタンスが必要。
・ 今後ウラン価格が上昇すれば高速増殖炉に頼らざるを得なくなる。将来は民
間ベースになるとしても自由化で電力会社には余裕がない。それまでは国が資金を出
す必要がある。今から手を打たないと間に合わない。
(4)
長期計画策定委員会
・ 長期計画の論議では2015年頃より検討を開始するとしているがこれでは
遅すぎるのではないか。
・ 長期計画の論議は本年夏頃に集約の方向に向かう予定である。それまでに何
らかの再提言を行う必要がある。
3 以上の論議に結果、当面は「原子力委員会などに高速増殖炉に関する懇談会を
設置して高速増殖炉開発に関して専門的な検討を開始すべきである」を主眼に提言を
まとめることとし、箇条書き程度の原案を益田恭尚氏が作成することとした。
以上
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