1. JHFCパーク
JHFCは、経産省の燃料電池自動車実用化実証試験のプロジェクトで、エンジニアリング振興協会、日本自動車研究協会が受託実施している。
JHFCパークは、大黒水素ステーションに併設して作られており、燃料電池車の実物(トヨタ、日産車、ホンダ等)や、主要部品(燃料電池、ケミカル電池、キャパシター、高圧タンク、バルブなど)が展示してある。
見学は,VTRでPJ全体とFCV開発状況の展示品での説明、水素ステーションでの実車への水素補給と設備(貯蔵タンク20Mpa、40Mpaの貯蔵タンクと圧縮機、脱硫ガソリンの水蒸気改質による水素製造装置、制御盤など)の見学、そして見学後の質疑応答。
感想
JHFCプロジェクトは、平成14年から17年までのプロジェクトであるが、その後どうするかまだ決まってない。世界の流れとして、各国で大々的に開発が進められており、簡単には止めないであろう。既に国として燃料電池自動車の開発関連に3年間で約900億円を投じている。国は2010年に5万台の実用車と、500箇所のステーション設置を目標としているが、その実現は容易ではないと思われた。
FCVの総合的(掘削井戸から車まで well to wheel)な燃料効率、経済性,CO2削減効果の評価についても疑念が残ったが、その評価は3月10,11日に横浜パシフィコで開催されるこのプロジェクトの成果報告会の中で報告される予定とのこと。
脱化石エネルギー社会としての水素社会の実現には、まず水素燃料自動車の普及が先導すると思うので、水素自動車の世界の開発状況とともにわが国の開発実態にも注目したい。
水素社会における水素は、当面は化石燃料からの改質や製鉄所などの複製水素が用いられようが、究極的には脱化石エネルギーとして原子力および水力、風力、太陽光等の自然エネルギーから製造するべきであり、その観点から水素の本格的需要が出てくる時期にあわせて原子力水素製造技術を実用化することが求められものと考える。