中国と日本はともに本地域(東アジア)における重要な国であり、両国のGDPと人口がそれぞれ東アジアの83%と70%を占めております。東アジア共同体の目標を円滑に実現できるかどうかは、大いに中日両国の姿勢にかかっています。われわれ双方は競争関係にあるわけではなく、それぞれ強みを持ち、互いに補いあい、促進しあい、ASEANなどと互恵協力し、共に勝つことが十分可能です。中国は日本との協調を強化して、二国間を通じてアジア協力を推進し、アジア協力を通じて二国間関係を深めていくつもりです。
以上の分野のほかに、われわれは両国の持続可能な発展という長期的目標に目を向け、また三つの分野の協力を探っていく必要があると思います。
一つ目はエネルギー協力。中日両国の石油消費量と輸入量がそれぞれ世界の第二位と第三位であり、エネルギーの長期安定した供給、海上の航路の安全の確保及び省エネ技術の普及などの面でかなり共通利益があります。より広い範囲から見れば、韓国の石油消費量もたいへん大きいですが、ロシアが世界最大の石油輸出国なので、北東アジアにおいては、エネルギー協力体制の構築を議論したらどうかと思います。
二つ目は、環境保全の協力。中日は一衣帯水の隣国で、環境がお互いに影響しあうものです。日本は環境保全の分野で、経験が豊かで、技術が成熟しています。中国は環境保全を重要な国策の一つにしています。双方がこの分野で全面的に協力して、ウィンウィン(Win-Win)を目指すことが十分にできます。
三つ目は、中日FTAをスタートさせること。中国はASEANとの間で、既に貨物貿易の交渉を終了し、投資とサービス貿易の交渉をも急いでいます。日本も同様に、韓国やASEANとの間でFTA交渉を進めています。中日両国は本地域最大規模の貿易額を誇り、貿易の自由化は双方の利益に合致します。最近日本国内の研究結果によれば、中国とのFTAは日本にとって一番メリットが大きいです。中国側は中日FTAに積極的な態度を持っており、日本側からも応えていただきたいと希望します。その第一歩として、早くFTAのF/Sを始めたらどうかと思います。
以上のことをまとめますと、中国は日本をライバルではなくて、互恵ウィンウィンのパートナーと見ております。中国側は共同発展と共同繁栄、並びにアジアの振興をわれわれ両国の新たな共通利益とするつもりであります。そして、この大きな方向の下で、両国関係に影響する当面及び今後生じうる様々な問題を真剣かつ適切に処理していこうとしております。私は双方がともに努力していけば、中日関係は必ずや麗しい未来を迎えられると確信いたします。
(提供:熱田利明氏)