送信者: "Kumao KANEKO" <kkaneko@eeecom.jp>
件名 : EEE会議(スイスの国民投票で脱原発が大差で否決!)
日時 : 2003年5月19日 12:01
各位殿
スイスでは、昨日(5/18)原子力問題に関する国民投票が行われ、その結果政府の脱
原発提案("Strom ohne Atom"=原子力抜きの電力)が2つとも、大差で否決されたと
のことです。投票の結果は次のとおりです。
1.2014年までに全ての発電用原子炉を閉鎖することの可否について。
反対票が2/3で否決。
2.1990年の国民投票で可決された原子力発電所の新規建設10年間
凍結(モラトリアム)を延長することの可否について。
反対票が約60%で否決。
因みに、スイスでは現在5基の原子炉が稼動中で、総発電電力量の約40%を賄って
います(他の60%は水力発電)。スイスの原発問題に関する国民投票は、米国のス
ルーマイル島事故があった1979年以来5回実施され、そのうち原子力反対派が勝った
のは1回だけ、1990年の国民投票で、上記モラトリアムが可決されたわけですが、そ
れが今回の投票で否決されたということです。
今回の投票に際しても、連邦政府やグリーンピースなどの反原発NGOは、風力や太陽
光などの再生可能エネルギーの開発で原子力は十分代替できるはずだと主張しました
が、そのためには膨大な新規投資を必要とするし、今原発を止めれば結局外国(主と
してフランス)から電力を輸入したり、新規に火力発電所を建設する必要があり、経
済的でないという理由で、大部分の国民は現状維持を選択したものと解釈されている
ようです。
この情報は、JNCの河田東海夫氏から提供いただいたもので、投票結果等の詳細は、
以下のサイトでご覧になれます。
http://www.swissinfo.org/sen/swissinfo.html?siteSect=105&sid=1865118
以上ご参考まで。
金子熊夫