Subject: EEE会議(中国の原子力開発の近況)
Date: Sun, 11 May 2003 08:59:30 +0900
From: "Kumao KANEKO" <kkaneko@eeecom.jp>
各位殿
アジアでは今後、増大するエネルギー電力需要に備えて原子力の比重が一層高まると
予想されておりますが、中でも中国は高速増殖炉計画をはじめ、原子力発電のいろい
ろな分野で着々と前進しているようです。最近の日刊中国通信(5月7日付け)によ
れば、ジルコニウム合金材の開発・生産も始めた由。詳細は次のとおりです。ご参考
まで。
金子熊夫
****************************************
<中国が先進国の仲間入り、ジルコニウム材の開発・生産>
[西安5月3日発新華社=中国通信] 西北ジルコニウム管有限責任公司で開発され
たジ
ルコニウム合金材がこのほど、中国核材料学会などの専門家の技術検定にパスした。
中国工学院の周廉・会員らの専門家は、中国がジルコニウム材の研究・生産で先進
国に
仲間入りしたことを示す成果であるとした。
優れた核性能をもつジルコニウムは、原子炉炉心の中核構造材料で、原発建設にな
くて
はならない重要材料でもある。宝鶏非鉄金属加工工場と西北非鉄金属研究院は中国が
60年
代に投資、建設したレアメタル材料の研究・生産基地と業界開発センター。80年代以
降、
秦山原発など国家重点プロジェクトに必要なジルコニウム4被覆管材(クラッディン
グ)
などの製品を相次いで開発、生産した。
両者は1999年に関係方面の承認を得て、西北ジルコニウム有限責任公司を共同で設
立
し、中国の原子力発電所建設計画に基づき、既存のジルコニウム生産ラインを基礎
に、内
外の最新の装置と研究成果を利用して、世界の先進水準に達し、中国の大型原発に対
応で
きる近代的ジルコニウム管生産ラインの建設に着手、それを基にジルコニウム材研究
・生
産基地づくりを速めた。
国家重点施設に指定されたこの生産ラインは計2億元近くを投じ、海外から冷間圧
延製
管機、マルチチャンネル超音波検査システムなどの重要設備を導入した。そして国際
的先
進水準に達する、計算機群で制御された、精度が高い大型のジルコニウム材連続真空
焼き
鈍し炉を自力で開発し、世界をリードするジルコニウム製品の全自動検査ラインの開
発に
成功した。同公司のジルコニウム管の生産能力は60トンで、その他の異型材、棒材な
どの
40トンを合せると、全体の年産能力は100トンに達し、世界の重要なジルコニウム材
は国
内の大型原発建設の必要性を満たすことができる。
西北ジルコニウム管公司は世界の先進水準に遅れないよう、国家863計画中の2つ
のC
IMS課題を実施し、2000年に専門家グループの検査にパスした。01年には科学技術
省に
よって国家863計画CIMS応用モデル企業に認定された。さらに複数の国から関連
の生
産技術一式と特許使用権を取得し、世界の各種炉型の原発にジルコニウム材を供給す
る能
力を備えるようになった。