Subject: EEE会議(IAEA核査察の有効性など)
Date: Tue, 18 Feb 2003 13:52:51 +0900
From: "kkaneko" <kkaneko@eagle.ocn.ne.jp>

各位

標記のテーマにつき、豊田正敏氏から再反論が寄せられました。 
小生なりにこれまでの議論の論点を整理しますと、@IAEAの査察・保障措置制度
(追加議定書を含む)自体の有効性(イラク、北朝鮮問題を防げなかったのはなぜか
等)、A同制度の日本との関係における有効性(とくに六ヶ所再処理工場問題)、B
NPTに基づくIAEA査察・保障措置制度のあり方(とくに、日本のようなクリー
ンな国にではなく、もっと「問題国」に重点をおくべきだという点=豊田氏のご意見
の最後のポイント)の3つくらいに分かれると思います。それぞれ政治的、法律的、
技術的、戦略的な側面を持っているので、なるべく整理した議論をお願いできれば幸
いです。

なお、北朝鮮や中国に対抗して、日本は「非核3原則」を廃棄して、米国の(日本国
内での)核兵器配備を認めるべきだとか、日本独自の核武装に踏み切るべきだという
意見もあり、別の論壇では議論が行われておりますが、当会議でもこれはこれで別個
のテーマとして年頭より議論を続けておりますので、ご意見のある方はどうぞ。
金子熊夫
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河田氏の言うように、日本が真面目にIAEAの査察を受けるという現在の考えの下で
は、原爆用プルトニウムを取り出すことは不可能であることには異議はありません。

この問題は、私はEEE会議2月9日の「北朝鮮の核問題」の中で、既に、核兵器を持っ
ている北朝鮮に軽水炉の建設を援助するのは問題であることを指摘しております。国
家的レベルでやる気になれば、軽水炉からでもプルトニウム239の純度の高いプルト
ニウムの回収は可能と考えます。従ってこれは我が国には脅威であります。

我が国の場合には、現在核兵器を持つと考えている人はいないであろうが、今のよう
な中国や北朝鮮との間で屈辱的外交が続くならば、将来、外交カードとして核兵器を
持たざるを得ないと考えている有力議員かいることは否定できません。特に、北朝鮮
がテポドンを日本に打ち込むような事態が発生し、時の政府が世論を喚起し、国会の
承認を得ることができれるような事態となり、国家レベルでやるのであれば、IAEAの
査察をごまかしたり、拒否してやることは十分可能であると考えます。河田氏は、
IAEAの査察の有効性を主張しておられるが、我が国のような真面目に査察を受けよう
としている国には、極めて厳しく、イランや北朝鮮など実際に核兵器を持っている国
に対しては、全く実効性がない現在のIAEAの査察制度を見直すべきであると考えま
す。今のようなIAEAの査察て゛は、核拡散防止の有効性はないといわざるを得ませ
ん。